Japanische Klassiker mit Furigana
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かけおち
駈落
佐左木 俊郎
Lesen Sie 駈落 (かけおち) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.287 Zeichen · 13 Bildschirme
なんだが、父つあん、借金して来た風だぞ。爺つあんさ見せっと、まだは、喧しくて仕様ねえがら、見せんなよ。父つあんは、昨晩は、縁の下さ隠して置いで、今、魚とりに行くどて、爺つあんと一緒に出はって行ってから、まだ馳せ戻って来て、菊枝さやってけれろって……」
菊枝の頬には、また、別の涙がまろび出た。
「大切にしんだぞ。この着物だって仲々いいもんだようだから……」
「うむ。俺、今日さしたら、後は、ちゃんと蔵って置ぐも。」
菊枝は涙に潤んでいるような声で言った。
「一生懸命稼いでな。自分で稼ぎ出して買った積もりで。――あ、早ぐ支度して出掛けろ。」
菊枝はすぐに立ちあがった。彼女は、涙が流れて仕方がなかった。
七
あくる日は、昨日の祭りの草臥れ休みというので、村では仕事を休むのが習慣だった。
春吉と菊枝とは、朝のうちに一日分の草を刈って、爺さんも休ませ婆さんも休ませ、皆んなゆっくりしようと、草を刈りに出掛けて行った。
仲々いい場所が無かった。どこも皆んな、掃いたように刈られた跡か、短い五六寸ぐらいの草のところばかりだった。二人は、川べりや路傍を歩きまわった。