Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほねをけずりつつあゆむ

骨を削りつつ歩む

佐左木 俊郎

Lesen Sie 骨を削りつつ歩む (ほねをけずりつつあゆむ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.044 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

どこを探しても職は無し、原稿は売れず、殆んどどうしていいか判らなかった。そこで私は筋肉労働をやることにきめたのだが、その時はもう労働を探しに行く電車賃も無かった。しかし、今になって他の道に走ったって恵まれるものでは無い! 石に噛りついてもやって見せるという気が私の心の中に起こった。宮地氏から借りた金で武蔵野村に行き、いよいよ筋肉労働を始めたのは五月の七日であった。初めの中は毎日、その日の十一時間の労働のことを思っては、瞼に泪を溜めて出て行った。だが私の生活はやがて精神的にも恵まれて来た。私は仕事から帰って来て創作をするのをその日の楽しみにした。昼の間、十一時間も労働をしながら思索した事が夜になって三四枚の原稿に変わった。「文章倶楽部」に載った「首を失った蜻蛉」も、この頃に、労働を始める前の、求職に苦しんでいた時の事を書いたものであった。私は毎日、仕事場では一篇の詩を作ってかえり、夜は大抵十一時頃まで小説を書いた。昼の間は労働をしなければならないという考えがあるので、心が全く緊張して、労働から帰って来ると、昼の間に思索に思索を練って、自分の時間になるのを待っているために、この一年は却って勉強が出来た。