Japanische Klassiker mit Furigana
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がいこつのくろんぼ
骸骨の黒穂
夢野 久作
Lesen Sie 骸骨の黒穂 (がいこつのくろんぼ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.160 Zeichen · 28 Bildschirme
口惜しい口惜しい口惜しい口惜しい……」
という叫び声と一所にドタンバタンという組打ちの音が高まったが、それがピッタリと静まると、やがて表の板戸が一枚ガタガタと開いて、頬冠りをした銀次の姿が出て来た。銀次の背中には、細引でグルグル巻にして、黒い覆面で猿轡をはめた小女を担いでいたが、そのまま月の沈んだ薄あかりの道をスタスタと町の方へ急いだ。
女は銀次の背中でグッタリとなっていた。
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直方署の巡査部長室の床の上に、猿轡を外された小女が、グルグル巻のまま寝かされていた。銀杏髷がグシャグシャになって、横頬を無残に擦剥いていたが、ジッと唇を噛んで、眼を閉じて、横を向いていた。
その周囲を五六人の警官が物々しく取巻いて、銀次の陳述に耳を傾けていた。
中央に立った銀次は、すこし得意そうに汗を拭き拭きお辞儀をしては、横の火鉢に掛かっている薬鑵の白湯を飲んだ。
「……ヘエ……お褒めに預るほどの手柄でも御座んせんで……ヘヘ。あんな離れた一軒家で、前の藤六から以来、小金の溜まっているような噂が立っているそうで御座いますから、いつも油断しませずに、出入りのお客の態度に眼を付けておりましたお蔭で御座いましょう。