Japanische Klassiker mit Furigana
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がいこつのくろんぼ
骸骨の黒穂
夢野 久作
Lesen Sie 骸骨の黒穂 (がいこつのくろんぼ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.160 Zeichen · 28 Bildschirme
「フウーム。どうしてそこまで探り出した」
「……こんな事が御座います。あの丹波小僧と巡礼お花の死骸を、共同墓地の藤六の墓の前に並べて仮埋葬にしておいたので御座いますが、その埋めました翌る日から、女の死骸を埋めた土盛りの上には色々な花の束が、山のように盛上って、綺麗な水を張った茶碗などが置いてありますのに、銀次の土盛の上は、人間の踏付けた足跡ばかりで、糞や小便が垂れかけてあります。夜中に乞食どもがした事らしう御座いますが……」
「ふうむ。その気持はイクラカわかるのう。山窩とても人情は同じことじゃで……」
「ところがその親の藤六の墓は、ずっと以前から何の花も上がりませぬ代りに、枯れた麦の黒穂を上げる者が絶えませぬそうで……どこから持って来るか、わかりませぬが……」
「成る程のう。その理屈もわかるようじゃ。校長の話を聞いてみるとのう」
「私はそのようなお話を存じませぬものですけに、いよいよ不思議に思うておりまするところへ今度の事件で御座います」
「ウムウム」
「この辺の者は麦の黒穂の事を外道花と申しておりますので、藤六の墓に黒穂が上がるのは不思議じゃ。何か悪い事の起る前兆ではないか……というこの界隈の者の話をチラと聞いたり致しましたので、イヨイヨ奇怪に存じておりまするところへ一個月ばかり前の事で御座います。