Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

がいこつのくろんぼ

骸骨の黒穂

夢野 久作

Lesen Sie 骸骨の黒穂 (がいこつのくろんぼ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.160 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

それがアンマリ殖え過ぎて町の迷惑になる事が夥しいので、警察でも捨ておきかねて逐い散らし逐い散らししたものであったが、さながらに飯の上の蠅で追っても追っても集まって来た。一方に炭坑が景気付くに連れて殺人殺傷事件がグングン殖えて来たりしたので、警察ではスッカリ持て余してしまったが、しかしその乞食連中の中で町外れの藤六酒屋の軒先に立つ者が滅多に居なくなった事には誰も気が付かなかった。藤六と違って銀次は又、特別の乞食嫌いらしく、いつも邪慳に追払っていたので、そのせいだろう位に皆考えていた。

銀次はそれから後、商売にばかり身を入れて一歩も家を出ないせいか、見る見る色が白くなって、役者のようないい男になって来た。自分では三十二と云っていたが、二十七八ぐらいにしか見えなかった。切れ上った眥と高い鼻筋が時代めいて、どことなく苦味の利いた細長い顔が、暗い店の中からニッコリして出て来ると、男でもオヤと思う位だったので、大袈裟な意味でなしに直方中の女という女の評判になって来たものであったが、それでも銀次は固い人間と見えて、遊びに行くフリも見せなかった。どこまでもお客様大切、仏様大切といった恰好で、朝から晩まで暗い店の中で、物腰柔らかく立働らいたので、その翌る年の春頃になると、今までの店が狭くなるほど繁昌して来た。