Japanische Klassiker mit Furigana
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たかきへあこがれるこころ
高きへ憧れる心
与謝野 晶子
Lesen Sie 高きへ憧れる心 (たかきへあこがれるこころ) von 与謝野 晶子 (よさのあきこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.503 Zeichen · 4 Bildschirme
それだけ登山は楽しいものである。
併しどんなに高い山へ登っても、天は地上で望んだのと同じに依然として彼方に蒼蒼として高く、殊に山頂の澄徹した空気を透して見る日中の青空、夜間の星空は、地上で仰いだよりも幾倍か美くしく、山頂で観る者の心には天然の天文台に立っているような喜びが感ぜられる。近世の学問が人間を理智的にしたと云い、近世の文化が人間を物質的にしたと云うけれども、こう云う山頂の大観に触れると、人の心は地上生活の束縛から脱して、小さな事や、さもしい欲望などに拘泥せぬ、本然の玲瓏たる心が目を明き、誰れも一種崇高な霊感に打たれずにはいない。昔から釈迦を初め多くの聖者や修道士が山に入って悟る所があったと言うことも首肯される。実際に我我のような平凡人でも、山頂に宿って燦爛として且つ静粛な夜天の星群を望むと、心も身も共に浄まる気がする。私は心臓の痼疾があるので余り高い山へは登らないが、赤城山、高野山、満洲の千山などに登って此の霊感を経験した。
夏期に登山する人人は、涼を納れ暑を避ける目的の人もある。植物採集の人もある。地理の探険、気象の研究を志す人もある。