Japanische Klassiker mit Furigana
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たかちほにおもう
高千穂に思う
豊島 与志雄
Lesen Sie 高千穂に思う (たかちほにおもう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.292 Zeichen · 11 Bildschirme
高千穂河原とは、往昔、高千穂噴火によって焼失した霧島神宮の古宮址なのである。今はこの古宮址の上手に、古式の祭壇が設けられている。石段を上った平場に、玉石が敷きつめてあり、奥の石畳みの中央に、巨大な自然石が三個立ててある。この祭壇の簡明清純さは、わが民族の潔癖性がわが民族の神性と繋がりを持つことを示してくれる。
祭壇の手前の砂原につき立ってる鉄管から、清水をくんで、腹の底まで冷徹になった思いをしながら、道を左手にとって、急坂にさしかかる。頂上まで二キロほど、最後の難所だ。
高千穂登山は、明確に三段に分たれ、三様の情緒を味わしてくれる。第一は、幽邃な天然林の中の山道だ。第二は、高燥な小松林の中の山道だ。第三は、急峻な登攀だ。この登攀がまた、三段跳びをなしている。
高千穂河原からの第一段階は、灌木の茂みの中を登っている道で、地面は堅く、足がかりの岩石が突出している。
ここを通過すれば、少しく平らな尾根に出る。
尾根はすぐにつきて、急斜面が前方に壁立している。代赭色の火山礫に蔽われていて、踏みしめてもずるずると半ばは滑る。崩れおちた砂礫の色合で、漸く道筋は分るが、それも山肌一杯に拡がっている。