Japanische Klassiker mit Furigana
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げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Lesen Sie 高野聖 (げかしつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.264 Zeichen · 104 Bildschirme
「酔興な!」と馭者はその愚に唾するがごとく独語ちぬ。
「酔興さ。私も酔興だから、おまえさんも酔興に一番私の志を受けてみる気はなしかい。ええ、金さん、どうだね」
馭者はしきりに打ち案じて、とこうの分別に迷いぬ。
「そんなに慮えることはないじゃないか」
「しかし、縁も由縁もないものに……」
「縁というものも始めは他人どうし。ここでおまえさんが私の志を受けてくだされば、それがつまり縁になるんだろうじゃありませんかね」
「恩を受ければ報さんければならぬ義務がある。その責任が重いから……」
「それで断わるとお言いのかい。なんだねえ、報恩ができるの、できないのと、そんなことを苦にするおまえさんでもなかろうじゃないか。私だって泥坊に伯父さんがあるのじゃなし、知りもしない人を捉えて、やたらにお金を貢いでたまるものかね。私はおまえさんだから貢いでみたいのさ。いくらいやだとお言いでも、私は貢ぐよ。後生だから貢がしてくださいよ。ねえ、いいでしょう、いいよう! うんとお言いよ。構うものかね、遠慮も何も要るものじゃない。私はおまえさんの希望というのがいさえすれば、それでいいのだ。それが私への報恩さ、いいじゃないか。