Japanische Klassiker mit Furigana
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おに
鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鬼 (おに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.138 Zeichen · 60 Bildschirme
「じゃ、兎も角、仁兵衛爺さんに尋ねて見よう。あいつ近くにいて、ちっとも気附かないらしいね」
そこで二人は、トンネルの入口の番小屋へ走って行って、旗振りの仁兵衛を呼び出し、現場へ引っぱって来た。
「ワア、こりゃどうじゃ。なんてまあむごたらしい。……ナンマイダブ、ナンマイダブ」
爺さんは赤い塊りを一目見ると、たまげて、頓狂な声を立てた。
「この女は犬に喰われる前に殺されていたんだよ。下手人がここへ担いで来て捨てて行ったんだよ。君、何か思い当る様なことはないかね」
大宅が尋ねると、爺さんは小首をかしげて、
「わしゃなんにも知らなかったよ。知ってれば山犬なんぞに喰わせるこっちゃないのだが。ハテネ、若旦那、これやてっきり昨夜の内に起ったことだぞ。なぜと云って、わしゃ昨日は何度もこの辺を歩いたし、夕方落しものをして、そうだ、丁度ここいらを探し廻った位だから、こんな大きな死骸がありゃ、気の附かねえ筈はねえ。てっきりこりゃ、昨夜真夜中に起ったこんだぞ」
と断定した。
「それやそうかも知れないね。いくら人通りがないといって、あんなに犬がたかっているのを、一日中気附かない筈はないからね。