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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

鬼の面 ――銭形平次傑作選3

野村 胡堂

Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

「間違いありませんよ。川向うの浅草寺の昼の鐘が聴えると、縁側で指を折って勘定しながら、――『爺や、ありゃ九つだね、これから裏の流れでタナゴでも釣って来るから、晩の肴は要らないよ』などと冗談を言いながら出て行きました」

それが本当なら、義弟の伯次はまったく兄殺しの下手人から除外されるわけです。

「伯次さんは酒が好きかえ」

「大して強くもないくせに、呑まずに居られなかったんですね。あれが本当の酒好きで、御主人が隠しておく、灘から取寄せたという生一本の銘酒や、オランダ渡りの赤い酒などを、くすねて呑んでは文句を言われていましたよ。金を出して近所の酒屋から取寄せる酒じゃ気に入らなかった様子で、へッ、へッ」

喜八は、ニヤニヤするのです。

「悪い癖があったものだな」

「悪い癖でしたよ。女と酒は盗むに限るなんて、大っぴらに言うものですから、旦那のお気に入らなかったようで」

おそらくこれも、妾のお房と因縁のある話でしょう。佐渡屋をめぐる情事と、罪悪と、因縁とは、思いのほかの深刻なものがありそうです。

そんな調べに没頭している時でした。

向島から急の使いが、佐渡屋の騒ぎの中へ飛込んだのです。