Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme
「これが?」
平次もさすがに、兇器の変っているのに驚きました。
「これは細かい金物の細工をする時使うもので、これを弾丸の代りに撃ち込めば、煙硝が弱いと人間の身体を撃ち抜く筈はない。うまい人殺し道具を考えたもので」
解剖などということの行われなかった昔、人間の体内に撃ち込んだ兇器は、そのまま死骸とともに大地の下に埋められて、永久に解るはずはないと思ったのは恐るべき悪智恵です。
「それに、鉛の丸い弾丸と違って、先の尖った鏨を撃ち込むと、傷口が開かないから、ちょっと見ては鉄砲傷とわからない。銭形の親分はよくこれが鉄砲傷と気がつきましたね」
「煙哨の匂いがひどかったと聴いたもので、――ところで、弾丸は何方から撃ち込んだものです。右ですか、それとも左ですか」
「いや、真っすぐの方角でしたよ。下からでもなく、上から撃ちおろしたのでもなく、右でも左でもなく、ちょうどあの隣の部屋の海の見える窓あたりから」
「すると、船の中から上へ向けて撃ったのでもありませんね」
「その通りで」
「いや、先生、それで、何も彼もわかったような気がいたします」
「いや、さすがは銭形の親分、大したことで。