Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

鬼の面 ――銭形平次傑作選3

野村 胡堂

Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

「いえ、お勝手へ潜り込めば、どんなことだって出来ます。下女のお角は、江戸生れを自慢にして居る金棒引きですから、お勝手を空っぽにして、どこまでも遊んで歩いております」

「なるほどな」

そう言われると、平次にも見当がつかなくなります。

「用心棒の岡浪之進さんは、どこか遠方へ行ったそうじゃないか」

「足柄へ参りました、武芸の先生が足柄に居て、老病で危篤だとやらで、三日前にわざわざ使いの者が来て、それといっしょに足柄へ参りましたが、江戸へ帰るのは、早くて明日あたりになりましょう」

これは当然疑いの外に置かるべきで、外から下手人が入ったのでなければ、家の中にいる番頭の友三郎と、下女のお角と、娘のお小夜と、わけても殺された主人の義弟の金之助に疑いがかかるわけです。

念のためにお勝手に出向いて例のおしゃべりのお角をつかまえましたが、

「飛んでもない、私がお勝手を空けた留守に悪者が忍び込んで、旦那様の徳利に毒を抛り込むなんて、そんな事が出来るものですか、旦那様はこのお酒が大事で、誰にもお裾わけしないばかりでなく、樽も白丁も戸棚に入れて、人目につかないように隠してあります、お勝手を覗いたくらいのことで、長崎のモモンガアに気が付くものですか」