Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme
「それが術だ」
「音も立てずにどうして殺したんでしょう、内儀と、金之助を」
「さいしょに当て身を喰わせて目を廻さして置いてそれから殺したんだ」
「あ、なーる」
「来い八、お前は裏へ廻れ」
「合点」
二人は左右に別れて、隣の浪人の家を襲いました。
「岡さん、ちょいと」
中腰で、さり気なく庭先から入ろうとする平次。
「馬鹿、その手を喰うものか」
岡浪之進は、さすがに一流の使い手でした、早くも平次の様子や顔色から、容易ならぬものを見て取ると、一刀を引抜いて、サッと身構えます。
「御用ッ、岡浪之進、三人殺しの証拠は揃ったぞ」
「何を岡っ引奴ッ」
飛込んだ平次は、横に払った一刀の激しい太刀風に、思わずたじろぎました。
「御用ッ、神妙にせッ」
「えッ、寄るな」
左へ廻って窓から飛出そうとするのを、平次の手はサッと挙がりました。
「あッ銭ッ」
得意の投げ銭、掌の中に隠した四文銭が、岡浪之進の顔へ、三つ、五つ、七つと、続け様に飛んで行くのです、この一つに眼か鼻でもやられては、岡浪之進も武力を封じられる外はないのですが、
「そんな事に驚くものか」
岡浪之進は、卜伝流のさっそくの働き、囲炉裡に掛けてあった、粥鍋の蓋を取って、続け様に飛んで来る、平次の投げ銭を受けたのです。