Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Lesen Sie 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.312 Zeichen · 57 Bildschirme
誰も盗み聴きなんかして居ない、八方見晴らしの田圃の中で、折入って話がして見たいと」
「田圃の中の密談は変っておるな、駒形の家は、そんなに物騒なのか」
「金があり過ぎて、女を拵え過ぎるから、世間の人間は皆んな、自分の命を狙っているように見えるんですね」
「あれ、お前もなかなか洒落たことを言うぜ。何時の間に、そんなに利口になったんだ」
「利口はあっしの地ですよ」
「そいつは知らなかったが」
「馬鹿は付け焼刃で、――死んだお袋はそう言いましたよ。馬鹿見たいに見えるのと、大飯を食うのがお前の取得だと」
「その吹聴は、いずれ春永に伺うとして、向島の話はどうした」
「それっ切りですよ。ともかく、いちど本人に逢って見て下さい。明日は佐渡屋の家中が総出の花見で、駒形から船を出すんですって。いずれ夕方は白鬚あたりに着けて、諏訪明神様裏の寮で一と騒ぎするでしょうが、その日だけは、主人の平左衛門が、小僧の伊佐松とたった二人で駒形の店に留守番をするんだそうで、銭形の親分を誘って来て下されば、ゆっくりお話を申上げたいということで――」
「御免蒙ろうよ。――金や女があり過ぎて、殺されそうな気がする人間なんか、俺は付き合いたくないよ、――そう言ってやるが宜い。