Japanische Klassiker mit Furigana
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おにをおいはらうよる
鬼を追い払う夜
折口 信夫
Lesen Sie 鬼を追い払う夜 (おにをおいはらうよる) von 折口 信夫 (おりくちしのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.207 Zeichen · 3 Bildschirme
春になる前夜の、賑やかで、そうして何処かにしんと静まった様子を想像して御覧なさい。暦を見ると、立春と言う日が、載ってありましょう。今年は、其が二月五日になります。冬が過ぎて春の来るのを迎えるについて、出来るだけ我々の生活にとってよくないものを却けて置いて、輝かしい幸福をとり入れようとするのです。昔から春と新しい年とが、同時に来るものと言う考えが、習慣の様に人々の頭にこびりついて居るので、立春が新しい春その前夜を意味する節分は、旧年の最後の夜という風に思われて居ました。だから、節分の事を「年越し」という地方も多いのです。年越しは、大晦日と同じ意味に用いる語です。
九鬼家と言う古い豪族の家では、節分の夜、不思議な事を行われると言う噂がありました。ある時、松浦伯爵の祖先の静山と謂った人が、九鬼和泉守隆国と言う人に、あなたのお家では、節分の夜には主人が暗闇の座敷に坐っていると、目に見えぬ鬼の客が出て来て、坐りこむ。小石を水に入れて吸い物として勤めると、其啜る音がすると言うではありませんかと問いますと、其は噂だけで、そんな事はありません。唯豆を打つ場合に、「鬼は内、福は内、富は内」