Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まぞう
魔像
林 不忘
Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme
焦立った右近、タタタとあとへ下って、頭で糸を引いて男を引き寄せようとする。
「怒るな、怒るな」男が言った。太い、しずかな声だ。「ちょいと夜釣りと洒落たのだ」
が、右近は無言。両手を腰に、グッと頭を反らして、かみの毛にひっ掛った糸でそのまま相手を引きずりよせようとした。
ほがらかな男の笑いが、深夜の巷にひびいた。
「ウム、どうやら呑舟の大魚が掛ったようだぞ。こりゃ面白い。頭で綱引きと来るか」
自分も、竿を構えて、足を踏ん張る。あたまと手の綱引き……じゃアない、糸引きだ。両々相下らない。見ていては面白いが、がっくり前へ寝た右近の髷が、今にも脱けそうだ。どんなに痛いことだろう。つまらない我慢をしてゴッソリ丸坊主になったらどうしよう――と、お絃は一人で気を揉んでいる。
ひっ張り合いながら、会話になった。
「小僧ッ、痛くはないか」
「何をッ! 釣れるものなら、釣ってみろ」
「てエッ! 強情なッ! こうだッ」
男は、力を罩めて竿を引く。うム! と踏みこたえた右近、大地から生えたよう、磐石のごとく身じろぎもしない。
「特製の頭だな。名は何というか」
男が感心した。
「茨右近」