Japanische Klassiker mit Furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme
ないのだが――その一轍心のすがたを見るにつけ、お妙は、そうして物事に精魂を打ち込む殿方のお心もちを、頼もしい、尊いと思わなければならないと自分に言い聞かせながらも、内心、犇々と淋しい気もちに包まれていくのを、どうすることも出来なかった。
喬さまは、じぶんのことなど何とも思ってはいらっしゃらないのだ。喬さまには、御番衆の首を落して廻ること以外、何の生き甲斐も、何のたのしみも、おありになりはしないのだ。いや、そうではない。
喬さまは、十七の最後の方の首を落したのち、世に隠れて、再びあの奥様と一緒になられ、面白可笑しくこの世を過ごされることを唯一つの目あてに、ああしてお刀を揮るっていられるに相違ない……。
そうだ。喬さまには、奥様がおありなのだ。しかも、評判のおうつくしい方――。
園絵さまとか聞いているが、言わば、その園絵さまの事から、こんどの騒ぎも起ったようなもの。その園絵さま故に、それほどの苦労を遊ばす喬さまが、どんな事があっても、園絵さまをお見棄てなされて自分にお心をお向けになろうとは……いいえ、そういうことを考えてはなりませぬ。ゆめにも、そういうことを願ってはなりませぬ。