Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まぞう

魔像

林 不忘

Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme

Aozora Bunko

「怪我しちゃア、つまらねえ。逃げろ、にげろ!」

まだやっている。

戸外は大変な人集りだ。もっとも、みんな火事と間ちがえているので、寝巻のまま飛び出して来たやつが、寒そうに胴ぶるいしながら、

「エオウ、吉イ、さっぱり煙が見えねえじゃねえか」

「そうよなア、こちとら気が短えんだ。どこでもいいから、ぱッと燃え上っちまえ!」

人にまぎれて、そのワイワイいうさわぎを分けて喬之助と右近は、本郷を出はずれた。

一すじ、頭上に、天の河が白かった。

六

本郷へ斬込みに行った茨右近と喬之助の帰りが晩い。知らずのお絃は、気になってたまらなかった。

「どうしたんだろうねえ。あたしもこれから、一ッ走り行ってみようかしら」

こう……神田帯屋小路、油障子に筆太に書かれた喧嘩渡世の四字、茨右近の喧嘩屋である。

ふかしていた長煙管をガラリ抛り出して、お絃がブラリと起ち上った時、

「御めん下さいまし……」

あわただしく表の戸があいて、転がるように跳び込んで来た若い女――息をはずませて、ピシャリ! はいって来た戸を締め切りながら、お妙は、お絃を見上げた。

「ちょっとの間、おかくまい下さいまし。