Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まぞう
魔像
林 不忘
Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme
、左官である。職人である。おやじの幸兵衛を口説き落して誰か然るべき人を立て、正式に申し込んでいけば、即座に落城するのはわかり切っている――と思うのだが、おいらも下町ッ児だ。そんな野暮ったらしいことはしたくない。何とかして、お妙を自分の手一つで物にしようと思うから、お妙が知らん顔をすればするほど、どうも己惚れほど恐ろしいものはない。ああ、あれはまだ処女だから、おれのようないい男に言い寄られて恥かしいのであろう。無理もねえ――なんかと、いい気なもので、いずれは望みがあることと勝手に決めているのだから、お妙が厭がって厭がって、きらい抜いているのも知らずに、何かにつけ用を拵えては、一日に何度でも、さかんに壁辰のところへ出かけて行く。
そういう気があるから、今日も、おやじの話を聞くと、じぶんから進んで壁辰を呼びに走り出したのだが、なに、幸吉としては、壁辰は勿論、おやじの用なんかどうでもいい。ただ一眼なりとお妙の顔を拝んで、一くちでも口をききたいという一心なんで――息子のそんな意中はちっとも知らないから、筆屋幸兵衛は、
「ああ、伜は感心なものだ。若旦那とか何とか大勢の者に立てられていても、わたしの用事となると、奉公人は遊び呆けているのに、ああして自分で駈け出して行く。