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Japanische Klassiker mit Furigana

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まぞう

魔像

林 不忘

Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme

Aozora Bunko

妻にも会えば色いろと話もあるものをと、ま、これは愚痴じゃ。つい愚痴が出ました。いや、お笑い下さい」

と聞いた、右近とお絃である。

茨右近と知らずのお絃――喧嘩は元より、三度の飯より好きなのだ。ことに多勢に無勢、公儀を向うに廻して逃げまわっている喬之助だ。しかも、これから十七の首を順々に落して廻るのだという。そう聞いただけで、持前の侠気と喧嘩好きから、この喧嘩屋の夫婦、一生涯の協力を約するのは当然で、ここに、顔形から剣を取っての腕まえまで、いずれも兄たりがたく弟たりがたい神尾喬之助がふたり、喧嘩渡世の看板に隠れ、知らずのお絃の嬌笑と胆ッ玉を仲に、巷の雑踏から剣眼を光らせて、随時随所に十七人の生命を狙うことになった。

神尾喬之助は、虚心流のつかい手。

茨右近は、観化流の海内無二剣。

知らずのお絃は――お絃流の、なに、そんなものはないが、とにかく、喧嘩の真中へ割り込んで、婉然にっこり名たんかを切ろうという物凄い姐御。

こう三拍子揃ったうえに、喬之助と右近、てんで見分けがつかないというのだから、まことに紛らわしい話で、いのちを狙われる十七人の身になってみると、それは、あんまりありがたい同盟ではなかったろう。