Japanische Klassiker mit Furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme
棒鼻が支えて、右近の駕籠もつづいて停まったから、垂れをはぐって顔を出した右近が、
「何だ、何だ、どうしたんだ」
「はい。ちょっくら草鞋を締め直させていただきやす」
「チェッ、だらしのねえ野郎じゃアねえか」
「恐れ入りやす」
六
「なア幸吉さん、お前さんがあんなこと言って、脇坂様のお屋敷へ駈け込んだりするものだから、殿様もすっかり真に受けて、さっそく八丁堀へお手配なすって、多分の御人数を繰り出してみると、あれアお前さん、他人の空似で、神田帯屋小路の喧嘩渡世、茨右近てえ浪人だったてえじゃアないか。だから、滅多なことを言ってくるもんじゃアないよ。かかりあいで仲に立った私も、こんなに困ったことはありアしない。おかげで当分、何か埋合わせの功名をするまでは、この長庵まで、お屋敷へ顔出しが出来なくなってしまったじゃアないか。これからあんな出鱈目な口をきくのは止して貰おう」
今日は下谷長者町の筆幸へ出かけて行って、そっと息子の幸吉にだけ会い、こういって散々怒り散らした村井長庵だ。そんな筈はないがなア。たしかにあれは神尾喬之助で、壁辰の父娘のあいだに、こんな話もあったのを聞いたのだ、という幸吉の陳辯には耳をも籍さず、