Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ましょうのおんな

魔性の女

大倉 燁子

Lesen Sie 魔性の女 (ましょうのおんな) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.898 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

と本庄はきっぱり云った。

いま、こういう話をしていることも、安子は家にいて、ちゃんと知っているかも知れない。あるいは彼女の言葉をかりて云うならば、彼女の霊魂が彼女の肉体から遊離して、自由に飛び歩き、肉眼では見えないけれど、この部屋のどこかで覗き見しているのかも知れないのだ。

そんな馬鹿なことがあるはずはない。と打ち消すあとから、本庄は心が身に添わぬような不安に襲われるのだった。

「私、奥様のあの恐い眼が、この障子の穴からでも覗いてやしないかと思うと、落ちついていられないのよ」

「あり得ないことだよ。君が、そんな非科学的な事を信じるとは思わなかった。みんな心の迷いだよ。安子のかんは鋭いが、出鱈目だ、それがたまたま当ったので、不審に思うのだが、僕だって、想像を逞しゅうすれば、ある程度までは当るからね」

「そんな気休めだけでは私安心出来ないの。奥様は迚もあなたを愛していらしゃるのね。情炎に燃えた、火のようなあのお眼を見ても、あなたの心をやきつくさないではおかないのだと思えてよ。恐ろしい執念だわ」

「だから、別れる」

「ほんと?」

「ほんとも嘘もない。別れるより生きる道はないもの。