Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にしんぎょじょう

鰊漁場

島木 健作

Lesen Sie 鰊漁場 (にしんぎょじょう) von 島木 健作 (しまきけんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.483 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

第一お前たちの入れている契約書にゃ、労務中死亡したるときの慰謝料は金一封とあって、それはみんな旦那一人のお思召にあるこったからな。多いの少ないのって言えたこっちゃねえ。それはお前達も承知のはずだ。」

漁夫たちはだまりこんだまま飯を食っていた。腹は立ちはするものの、直接自分自身の問題でないだけに、どうでもいいとおもっているのだった。――源吉はしかしだまってはすませないものをかんじた。夜、そっと山本に耳うちして帳場をなぐっちまおうとおもうがどうだ、と言った。山本はいかにも源吉らしい考えだといって笑った。「帳場をなぐったってどうなる。お前が追い出されるまでのことよ。そして追い出されたらただではすまねえぜ。給科はふいになるし、前借した金にゃ一ケ月三分の利子つけて、元利耳をそろえて返さにゃならねえんだぜ。まアもう少し待て」彼は落つきはらってそういうのだった。

そのことがあってから十日ほど経ったある日の朝、町の駐在所の巡査が、帳場と一緒に廊下で働いているみんなのところへやってきた。

「木村音吉ってのいるか?」

それは津軽から出稼ぎに来ているまだ三十前の若い男だった。