Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にしんぎょじょう

鰊漁場

島木 健作

Lesen Sie 鰊漁場 (にしんぎょじょう) von 島木 健作 (しまきけんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.483 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

と互いに誘い合しながら、彼らは連れ立って夜の町へ出て行った。――源吉はしかし、こんどはそのなかへははいらなかった。みんなからはなれ、山本と二人で外へ出た。

「あれ見ろよ。」生温かい五月の潮風に面を吹かせて浜べの方へぶらぶらとあるきながら、山本は彼方を指さして言った。彼の指さした方向には、居酒屋、小料理屋のたぐいが軒をならべてならんでい、野卑な絃歌がさんざめいていた。漁夫たちがそこへはいって行くうしろすがたが見えた。山本はつづけた。

「女どもがあすこにゃ手ぐすねひいて待っているんだ。漁師どもア骨までしゃぶられて明日の朝ア一文なしの素っ裸でたたき出されるんだ。そうなった奴らアどこへ行ぐ? 家へ帰るにゃ金はなし、とどのつまりはカムサツカ行きか、土方部屋のタコよ。行路病者になって帰る奴もある。渡りあるきの労働者っていうやつアなんによらず困りもんだなア。こないだみてえに折角かたまって戦ってもあとのしめくくりができねえのでな。」

翌日、国道の標示杭の立っているところまで一緒にあるいて来、そこで源吉は山本とわかれた。山本はそこから岩内まで出て汽車にのり、源吉はなお三十里の道を自分の村へ向ってあるくのである。