Japanische Klassiker mit Furigana
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かじかのたまごについて
鰍の卵について
佐藤 垢石
Lesen Sie 鰍の卵について (かじかのたまごについて) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.363 Zeichen · 3 Bildschirme
産卵が終わると、鰍の夫婦は矢倉石の上流と下流の二つの入口に頑張って、外敵の侵入を防ぐのだ。
矢倉に組み立った石というのは、そうやたらに川底にあるものではない。それを鰍たちが捜すのであるから、一つ矢倉石に幾組もの鰍が産卵しなければならぬのだ。そこで、後からその矢倉石を発見した体力のある鰍の夫婦は、先口の鰍夫婦を追い払って、前に産卵した矢倉石の天井へ産みつける。こんなことが幾度も繰り返されるので、人間が一つの矢倉石を発見すると、一つ石から数層の鰍の卵を得られるのである。数層の卵といえば、ゆうに一合以上はある。
鰍よりも、山女魚の方が、腕力は勝れているらしい。そこで、山女魚が鰍の産卵場を発見すると、鰍夫婦をその場から追い払って、卵を食ってしまうのではないだろうか。それはともかくとして、奥利根水系の東谷川、薄根川、片品川、赤城大沼の出尻の南雲沢などで、鰍の卵を用い、大いに釣果をあげて喜んだのは、もう幾十年の昔になろうか。
その後、ある年に浅間火山裏山の鹿沢温泉の方から流れでる吾妻川の上方へ、山女魚釣りに行ったことがあった。それは真夏であったが、土地の漁師に、この地方では山女魚釣りの餌に、鰍の卵を使うかと問うてみた。