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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.100 Zeichen · 523 Bildschirme

Aozora Bunko

と、今の話しかけを、こっちから訊きほじる。

「もう一人の姉っていうのは、家にいるのか」

「大きいほうの姉ちゃんはネ……」

指の飯粒をシャブりながら、女の子のお獅子がいう。

「あたいたちが、小ッちゃい時――、おっ母アが死んじまってから後に、どっかへ、行ってしまったの」

「オヤオヤ……親爺さんが呑んだくれで、一人の姉は吉原へ売りとばされ、その上、一番年上の姉までが家出をしてしまったのか」

万吉は、これだけの話で、ホボその家のありさまが想像された。そして、なんだか、他人事ではないように腹が立ってきた。

「フーム、そうか。それで小せえお前たちが、毎日、外へ角兵衛獅子に出ているのか……。気の毒だなあ。この空ッ風の吹く町へ出て、テンツクテンツク、氷のような地べたへ逆さにオッ立って、お前たちが稼いだ銭も、おおかた、おやじの寝酒になってしまうんだろう。よく世間にあるやつだ。殊に色街の掃溜には、怠け者の地廻りとかなんとかいって、そういう野郎がいかねない。……だがまア、よくお前たちは辛抱してるなあ、今におやじも眼をさますだろう。また、大きい姉ちゃんが帰ってきたら、きッと、両手をついてあやまるだろうぜ」