Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

おきみさんもおのれほどの才女のおしめを洗ふは、仏教に篤き光明子がかたゐの垢をかきしと同じく名誉なりとも思はば思はるべく候。これは方便にして、名誉の価は左ほど大ならずともいふべけれど、名誉より是の如く観じ候如くに道の上より是の如く観ずるときはおのれの為す事が一々愉快に、一々大切なるべく候。飛んだ説法に候へど、おきみさんへの返事のかはりに、此紙に筆に任せ認め進じ候。

十四日林

母上様

半紙を四枚綴じて毛筆で書いてあります。年月はありませんが、三十三年の秋の頃でしょう。

小倉というので思出しましたが、三十二年六月九日に赴任が発表になって、十四日に出立というので、主人が新橋へ参りましたら、大勢の見送りがあったといいます。しかしそれは形式上のことだそうで、十六日に今度は千駄木の宅の方へ暇乞に寄りましたら、もう出立したとのことでした。誰にも時間は知らせないのでしょう。「おかしなことをするのですね」と申しましたが、私は産前でしたから、一切外出しないのでした。

三十三年一月に兄から母へ寄せた手紙の一節に、「小金井氏財政の事ども承知いたし候」とあり、「当郡病院長澄川といふもの参り話に小金井は咯血したり云々と東京より申来との事に候。