Japanische Klassiker mit Furigana
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こうのすにょうぼう
鴻ノ巣女房
矢田 津世子
Lesen Sie 鴻ノ巣女房 (こうのすにょうぼう) von 矢田 津世子 (やだつせこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.884 Zeichen · 24 Bildschirme
或る雨あがりの日、男が山へ柴刈に行くと、若いきれいな女がやっぱり柴刈をしていた。女は笑いかけて、お前に行き会いたかったと声をかける。お前は誰れだと云っても、女はただ笑ってばかりいて、せっせと柴を採る。夕方になって男が帰りかけると女もついてきた。俺はこんな貧乏者だからお前のような女子に来られては困ると云っても、拝むようにしてどうか置いてけれせという。そしてふところから紙捻を出して、その中から米粒を二粒出して鍋に入れて煮ると、鍋が一杯になって二人で夕飯を腹いっぱい食べた。女は昼間は山へ柴刈に行くし夜は機を織ったりして休む間もなく働いている。だんだん日がたつと女は家にいて朝から晩まで機を織るようになった。そのうち二人の間に女の子が生れ、三年たつと女はやっと機を織り下して、良人に、これを町さ持って行って売ってきてけれせと云った。男はなんたらこんなもさもさした毛織物なんぼの値があるべえや、それも売れればよいがと心配顔をすると、女はこれは私の精をこめて織ったものだから三百両であったら売ってもよいという。町の大店の旦那様の処へ行くと、大そう喜んで家の宝にするとて言い値で買い取ってくれたので、男は驚いて大金を持って帰って来た。