Japanische Klassiker mit Furigana
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う
鵜
山本 周五郎
Lesen Sie 鵜 (う) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.733 Zeichen · 38 Bildschirme
「無理なこと仰しゃらないで」
「どうして」と半三郎は云った、「食事をするくらいのことがなぜ無理なんだ」
「あなたとは此処で逢うだけよ」
「もうこんなに秋風が立ってきた」半三郎が云った、「泳ぐのももう僅かなあいだだ、泳げなくなっても逢いに来るか」
「そのときのことはそのときよ、そのつもりなら九月だって十月だって泳げるわ」
「いっしょに食事をしよう」と半三郎は云った、「おれは知らないから、場所はそっちで選んでくれ、できるだけ早くだ」
「どうしても、――」
「どうしてもだ」
そのとき二人は、爼板岩の上に並んで坐っていた。ただこは自分の(裸の)膝へ眼をおとし、小麦色に焦けた、なめらかな膝頭を撫でながら、思い余ったように太息をついた。
――この方はもうあとへはひかないだろう。
彼女はそう思った。半三郎の口ぶりは静かであるが、これまでとは違った調子があった。そうして、彼女自身のなかにはもっと強く、その要求を拒めない感情がそだっていた。
「もしかして」とただこは云った、「そのために、こうして逢うことができなくなるとしても、それでも――あなたは構わなくって」
「それはどういう意味だ」