Japanische Klassiker mit Furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Lesen Sie 鷲 (わし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.476 Zeichen · 290 Bildschirme
」と、源兵衛はもう相手にもならなかった。
その翌年の盂蘭盆前である。きょうは娘の三回忌、女房の一周忌に相当するので、源兵衛は下大須にあるただ一軒の寺へ墓参にゆくと、その帰り道で彼は三人の杣仲間と一人の村人に出会った。
「おお、いいところで逢った。おれの家までみんな来てくれ。」
源兵衛は四人を連れて帰って、かねて用意してあったらしい太い藤蔓を取出した。
「おれはこの蔓を腰に巻き付けるから、お前たちは上から吊りおろしてくれ。」
「どこへ降りるのだ。」
「谷へ降りて、あの骸骨めを叩き落してしまうのだ。」
「あぶないから止せよ。木の枝が折れたら大変だぞ。」
「なに、大丈夫だ。女房の仇、娘のかたきだ。あの骸骨をあのままにして置く事はならねえ。」
何分にも屏風のように切っ立ての崖であるから、目の下にみえながら降りることが出来ない。源兵衛は自分のからだを藤蔓でくくり付けて、二丈ほどの下にある大木の幹に吊りおろされ、それから枝を伝って行って、かの髑髏を叩き落そうというのである。こうした危険な離れわざには、みな相当に馴れているのではあるが、底の知れない谷の上であるだけに、どの人もみな危ぶまずにはいられなかった。