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Japanische Klassiker mit Furigana

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まど

鷹野つぎ――人と文学

鷹野 つぎ

Lesen Sie 鷹野つぎ――人と文学 (まど) von 鷹野 つぎ (たかのつぎ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.840 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

とよ子が安臥してからは、私への挨拶もそこそこに俄かに忙しそうにして中庭の出入口の方へ、その兄は駈けるような後姿を見せて帰って行った。

見るから軽そうなひとが隣りに入ったので私はよかったと思った。病人というものは、重ければ軽い人に、軽ければ重い人に気兼ねする複雑な心理にあやつられるものであった。そこへ行くと軽い者同志が、まず病人世界の楽園と云えた。

中じきりの衝立を看護婦さんが、半ばずらしてくれたので、私たちは間もなく顔を向けあって話しはじめた。

「再発ですか」

「ええ、故郷へかえって山など駈け歩いたものですから」

娘はあどけない笑顔で答えた。

翌日からは娘は厠にも通い、身のまわりのこともたいてい自分の手でしていた。腸が傷んでいるとのことであったが、食事も普通食ですましていた。

見舞いに来た私の夫も病む娘をいとしがって食べ物を分けたりした。ある時も近くで話していたが、娘の指の間に爛れのあるのを見つけた。

「水虫のようですね」

「いいえ、これは私がたくさんお裁縫したからですの、針でちょっと刺したところが、こんなになって癒りませんの」

「ふむ、それは打棄とかないで、すぐ手当をしてもらいなさい」