Japanische Klassiker mit Furigana
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まど
鷹野つぎ――人と文学
鷹野 つぎ
Lesen Sie 鷹野つぎ――人と文学 (まど) von 鷹野 つぎ (たかのつぎ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.840 Zeichen · 43 Bildschirme
テレスへ出てもとよちゃんもいらっしゃいと呼べないので、あたりに出ている人たちとよもやまの話をした。大体にこの病棟には重い人がいるので、喉頭でどうしても臥ていられないと云うような、非常に重態の一人のほかにはあまり変った顔ぶれもなかった。
中で仕合せと回復に向っている、二三の青年や、一人の若い女性などがテレスの常連というわけであった。
「この草っぱらと畑の総面積は、どのくらいあると思う」と、母親の附添で仕合せな、せいたか坊やの通称のある瀬田青年が口をきると、
「まず五千坪だね」と、口を尖らせるので蛸さんと綽名のある料亭の一人息子が、さっそく見積りをつけた。
「冗談じゃない。では山野さんは?」
私に問いを向けられると、私の眼が殆ど数字で現わせるほどの、どんな見当もついていないのに、全然まごついて了った。
「どうも見当がつきませんよ」
「では双葉さんは」
顔色が明るいほど白いので、お月夜さんと呼ばれていた双葉さんは
「二万坪あまり、間違いなし」と云った。
背高ぼうやは背を反らして、
「ほう、僕なら一万坪見当だ。いったい」と蛸の肩を突衝いて、よろけるのをまたぐいと引き寄せて