Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

まど

鷹野つぎ――人と文学

鷹野 つぎ

Lesen Sie 鷹野つぎ――人と文学 (まど) von 鷹野 つぎ (たかのつぎ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.840 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

前々から何時どういうことがあっても、息子に迷惑はかけとうない思いまして、それだけの始末はつけてあるつもりでしたが、今日という今日は眼に見ましたんで、ほんとうに腹にこたえました」

「お家で一人になった時はお心細いでしょうね」私も心から、この母の気持を聴きとった。

そうかと思えばある日は非常に気の利いた和服姿の美しい娘を伴って来たりした。そこで忽ち病院内にはせいたか坊やの未来の花嫁が現われたという噂がひろまった。

「ほんまにあの娘は息子さえ快くなれば、うちに来てもらおう思うております。そうなればもう私は何思いのこすこともない、楽々な身になります。安心して息子のいいように、ああせい、こうせいと云うなりに従うて、何時なりと安らかに逝けます」

瀬田青年の隣りには、新らしく箱根山と綽名された青年がいて、エスサマ・エスサマ、エッコラサと、懸声であたりを笑わせ、その実回復の切ない希いを、長い闘病の果て戯化せずにいられないような悲しみを私などには思わせていた。暑い盛りのこの頃では、向う鉢巻で寝衣を胴なかだけにまといつけ、蚊脛を出して臥っているので、まあ雲助みたい、とある看護婦に云われ、それが忽ち箱根山の綽名にまで転化されて行ったものだった。