Japanische Klassiker mit Furigana
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おうむぐらかえくびでんせつ
鸚鵡蔵代首伝説
国枝 史郎
Lesen Sie 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.083 Zeichen · 26 Bildschirme
そうして暗い林の奥から、赤黄色い、燈明の火が、朱で打ったように見えて来ていた。
(あそこに地蔵様の祠があるんだな)
そこで菊弥はその方へ足を向けた。と、その時、蔵の右手から人の足音が聞こえてきた。
(しまった)と菊弥は思った。
(手を拍ったのを聞き付けて、誰か調べに来たのだ)
目つかっては大変と、菊弥は左手の方へ逃げかけた。するとその方からも人の足音が聞こえてきた。
(どうしよう)
眼を躍らせて四方を見廻した菊弥の眼に入ったのは、蔵の壁に沿って、こんもりと茂っている漆らしい藪であった。
(あそこへ一時身をかくして……)
そこで菊弥は藪の陰へ走り込み、ピッタリと壁の面へ身を寄せた。
「あッ」
菊弥の身は蔵の中へ吸い込まれた。
壁の一所が切り抜かれてい、菊弥が身を寄せた時、切り抜かれた部分の壁が内側へ仆れ、連れて、菊弥の体が蔵の中へ転がり込んだのであった。
「あッ」
再度声をあげたのは、蔵の闇の中から手が延びて来て、菊弥の胸倉を掴んだからであった。
「何奴!」と叫ぼうとした口を、別の手が抑えた。
菊弥の体の上に馬乗りになった重い体の主は、切り抜かれた壁の口から、幽かに差し込んで来た外光に照らした顔を、菊弥の顔の上へ近づけた。