Japanische Klassiker mit Furigana
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おうそんせんせいげんこうろく
黄村先生言行録
Lesen Sie 黄村先生言行録 (おうそんせんせいげんこうろく) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.786 Zeichen · 27 Bildschirme
私はこの習慣については、実は内心大いに閉口しているのだが、しかし、これとても、私のつまらぬおべっかの報いに違いないのだから、誰をも恨む事が出来ない。以下はその日の、座談筆記の全文である。括弧の中は、速記者たる私のひそかな感懐である。
さて、きょうは、何をお話いたしましょうかな。何も別にお話する程の珍らしい事もございませぬが、(こんなに気取らないと、いい先生なんだが)本当に、いつもいつも似たような話で、皆様も(誰もいやしない)うんざりしたでございましょうから、きょうは一つ、山椒魚という珍動物に就いて、浅学の一端を御披露しましょう。先日私は、素直な書生にさそわれまして(いやな事を言う)井の頭公園の梅見としゃれたのでありますが、紅梅、白梅、ほつほつと咲きほころび(紅梅は咲いていなかった)つつましく艶を競い、まことに物静かな、仙境とはかくの如きかと、あなた、こなた、夢に夢みるような思いにてさまよい歩き、ほとんど俗世間に在るを忘却いたし(親子どんぶり、親子どんぶり)ふと眼前にあらわれたるは、幽玄なる太古の動物、深山の(言うという字に糸二つか)巒気たゆとう尊いお姿、ごそりごそりとうごめいていました。