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Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんのまくら

黄金の枕

田中 貢太郎

Lesen Sie 黄金の枕 (おうごんのまくら) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.073 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

車には秦の王妃が乗っていた。王妃は道度が手にしている黄金の枕に眼を注けた。

「あの枕を持っている男をここへ呼べ」

家来の一人は道度の傍へきた。

「お妃さまのお召しじゃ、こっちへ来い」

道度は家来に随いて車の傍へ往った。車は止まっていた。

「その枕をこちらへ」

家来は道度の手から枕を取って、それを車の窓際へさし出した。枕は王妃の手に渡った。

「この枕は、どうしてその方が持ってる」

道度は地べたに頭をつけてから、その枕を手に入れた訳を話した。話しているうちに王妃は泣きだした。

「これは確かに、私の女の持っていたものだ、では、女から貰ったのか」

王妃は止めどもなく泣いた。

道度は王妃の車に随いて秦の王宮へ往った。王宮では道度の言葉に疑いをはさんで、人をやって塚を発掘さし、中の柩を開けて調べさした。二十三年を経た女の死骸は、腐りもせずにそのままになっていた。死骸と一緒に入れた物を詮議した。他の物は皆そのままであったが、黄金の枕のみはなかった。

後で死人の身体を検めた。それには情交宛若たるものがあった。

秦の王妃は道度の事情を諒解してしまった。

「これこそ真箇の婿だ、女もまた神だ、沒くなって二十三年も経って、生きた人と交往していた」