Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんのうでわ

黄金の腕環

押川 春浪

Lesen Sie 黄金の腕環 (おうごんのうでわ) von 押川 春浪 (おしかわしゅんろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.431 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

露子は此時初めて口を開き、

「ハイ、妾何んだか恐い様に思いますけど、阿父様の仰しゃる事なら参りましょう」

斯くて相談は定まり、三人の娘は一人ずつ流星の落ちた森林を探検する事となった。

先ず一番先に出かけたのは一番目の娘であったが、唯だ一人小さい角燈を下げて家を出ると、朧月夜に風寒く、家を離れれば離れる程四辺は淋しくなって、やがて森林の側まで来て見れば、林中は真暗で何んだか化物でも潜んで居るよう、何うしても踏み込んで探検する気にはなれず、一歩進んでは二歩退き、二歩進んでは三歩退き、其間に独り思うには、此林中には立木と草のあるばかり、流星が此処で消えたとて何んの不思議な物が落ちて居るものか、好奇に此様な気味の悪い森林に入るよりは此儘此処から家に帰り、阿父様に林中の有様を問われたら、森林を残る隈なく探検しましたが、唯だ立木と草のあるばかりで、不思議な物は少しも見えませんかったと答えよう、此方が余程利口であると、娘の癖に狡猾い事を考え、来る時の足の遅さとは反対に、飛ぶ様に家に帰って来た。

次に行ったのは二番目の娘であったが、此娘は姉様より更に臆病なので、森林の側まで行くか行かぬに早や身慄いがし矢張り姉様と同じ様な狡猾い事を考え、一目散に家に帰って来た。