Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんをあびるおんな

黄金を浴びる女

野村 胡堂

Lesen Sie 黄金を浴びる女 (おうごんをあびるおんな) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.350 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

年の頃二十五六、何んと言っても若い三之丞です。

「旦那がお見えになったからでしょう」

「ウ、フ、フ」

「それに、今日はあのいつぞやのお返事を申上げようと思って、朝からお待ちして居りました」

お駒は側へ坐ると、なよなよと上半身を曲げて、三之丞のノッペリした顔を下から見上げるのでした。

「それは有難いな、吉か、半吉か、まさか凶ではあるまいな」

「吉か、凶かは存じませんが、旦那様のお覚召もよく解りましたし、父とも相談して、いよいよ御言葉に従うことにいたしました」

「え、本当か、それは、有難いな、いよいよ話が決れば、この水茶屋の株などは人にやって了って、お前の好きなところへ一軒」

「あの、お言葉中ですが」

「何んだお駒」

「旦那様の御側へ置いて下されば、妾、手掛はおろか、召し使でも厭うことでは御座いませんが、なるべくは、吹屋町のお屋敷の方へ置いて頂き度う御座います」

「それは又異な望みだな、窮屈ではないか」

「それも覚悟して居ります、女と生れて、旦那様のような立派なお方と契った冥利に、金座のお屋敷にたった一日でも住んで見度いので御座います」

「フーム」

家門に対する自負心があるだけに、お駒の望みが、三之丞には尤もに聞えました。