Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんをあびるおんな

黄金を浴びる女

野村 胡堂

Lesen Sie 黄金を浴びる女 (おうごんをあびるおんな) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.350 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

「それはならぬ」

三之丞も少し驚きました。

「何うしてで御座います」

「あれは、父上のお許が無ければ、誰も入ることが出来ないことになって居るのだよ」

「こんな夜中でも?」

「夜でも昼でも」

「あ、あ」

お駒は投げ出したように言って、クルリと後ろ姿を見せました。

「寝ないか、お駒」

「どうぞ、お休み下さいまし、私は、どうせ眠られはしません」

「弱ったなア」

暫らく言葉が絶えました、が、お駒は身動きもせず、三之丞はその美しい後姿から目を離そうともしませんでした。

「あのお蔵の中には、何が入って居るので御座いましょう」

「さア」

お駒の問が不意だったので、三之丞も少しギョッとしました。

「世間の噂では、大判小判が一杯だと申しますが」

「さア」

「一と目、私に見せては下さいませんか」

「そんな解らぬことを言わずに、眠る工夫をしたら何うだ」

「私はどうせ眠られはしません、こんなに火のように熱いんですもの――」

お駒は三之丞の手を取って、自分の胸へ差し入れました。大して熱いとは思いませんが、高鳴る心臓の鼓動が、男の手に響きます。

「それが何うしたと言うのだ」

「私は、この熱い肌を、金で冷やして見度いので御座います」