Japanische Klassiker mit Furigana
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こうちょうのなげき
黄鳥の嘆き
甲賀 三郎
Lesen Sie 黄鳥の嘆き (こうちょうのなげき) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.792 Zeichen · 82 Bildschirme
仮令今は感づかなくても、あゝいう奴だから、いつ感づくか知れない。それも僕が生きていれば、大して恐れはしないが、死んだ後になって、どんな難題を朝子に吹きかけるか知れぬ。その時に朝子の力になって呉れるのは君一人だ。だから君にはどうしても隠すことは出来ない。この遺書は或る人に託して、僕が死ねば直ぐ君の手許に届くようにして置く。生きているうちに告白の出来なかった僕の卑怯を許して呉れ給え。
野村君、実は重明は朝子の子ではないのだ。むろん僕の子でもない。全く他人の子なんだ。
他人の子といっても、血は続いている。いつか君と口論をしたのを覚えているだろう。あの時に話に出た僕の祖父の弟の曾孫なんだ。
祖父の弟は分家して二川姓を名乗り二男二女があった。僕は出来得る限り男系を辿って行ったのだが、長男は二川家を継いだが、その子供は女ばかしで、僕などと違って、二川家に執着はなかったと見えて、みんな他家に縁づけて終った。従って、二川家は絶えたわけである。
二男の方は京都でも有数の旧家で、当時大きな呉服店だった高本という家に養子に行った。そこで彼は一男三女を挙げた。どうも二川の血統には男が少いのは奇妙である。