Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうちょうのなげき

黄鳥の嘆き

甲賀 三郎

Lesen Sie 黄鳥の嘆き (こうちょうのなげき) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.792 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

僕は妾の子で、その為にどれだけ苦労したか知れないから、お前を日蔭者にはしとうない。といって、東京の兄さんは固い一方で、芸者なんて、頭から汚れたものだと思ってる。僕は何とかして君を引かそう。そうして、一年なり二年なり、堅気で暮して、然るべき人に口を利いて貰って、兄の許しを得て晴れて夫婦になろう。ね、そうしようね、とこういやはりました。うちも嬉しゅうて、本まにその時は泣きましたわ。うちは今でも、かーはんがその時に嘘をいやはったとは、どうしても思われまへん。その時に恰度山の方へ行く事に定っていましたんで、かーはんは兎に角山に行って来る。帰って来たら、すぐ東京に行って、今いった通り運ぶよって、いうて山へ行かはりました。それきり鼬の道だす。山から帰ったとも、東京へ行ったとも、一言もいうて来ず、むろん姿は見せはりやしまへん。それからもう五年経ちますわ。うちは一辺引きましたけンど、河育ちはやっぱり河で死ぬちゅうてな、二度の勤めだす。諦めてンのかって、諦めるよりしようがないやおまへンか。ホヽヽヽ」と、照奴は淋しく笑いましたが、この頃の言葉でいいますと、一抹の悲哀ちゅいますか、何ともいえん悲しい顔付きをしましたので、私は思わずゾッとしたのを、今でもはっきり覚えとります。