Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうちょうのなげき

黄鳥の嘆き

甲賀 三郎

Lesen Sie 黄鳥の嘆き (こうちょうのなげき) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.792 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

いよいよ発狂か、それでなければ自殺、二つのうち一つではないかと、野村は恐れていたのだ。

それが、雪渓発掘に着手してから、十三日目に自殺になって現われたのだ。

野村は唯一人の友人として、二川の自殺を阻止することの出来なかった事に、自責の念を感じた。彼が二川を愛することの足りなかった事が、犇々と彼の心を責めた。

と同時に彼はふと可成重大な事に気がついた。それは彼が二川家から重明の自殺の報知を受けない事だった。

野村はもう一度夕刊を見直した。

――乗鞍岳の大雪渓の発掘を始めて、問題を惹き起していた二川子爵は、極度の神経衰弱で苦しんでいたが、今朝十時寝室で冷くなって死んでいるのが発見された。死亡の原因は多量の催眠剤を呑んだ為らしく、それが自殺の目的で呑まれたのか、過失によるものか不明であるが、恐らく前者であろうと見られている。尚子爵家では自殺説を否認し、喪を隠している。

流石に華族たる身分に遠慮してか、余り煽情的な書方をせず、極く簡単にすませてあるが、死んでいるのを発見された時間は、午前十時と明記してある。今までに野村の所へ通知が来ないのは可笑しいのだ。