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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろいひととあかいそり

黒い人と赤いそり

小川 未明

Lesen Sie 黒い人と赤いそり (くろいひととあかいそり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.127 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、夜の明けるのを待っていました。その夜は、いつにない寒い夜でしたが、夜が明けはなれると、いつのまにか、海の上には昨日のように、一面氷が張りつめて光っていたのです。

五人のものは、それぞれ赤いそりに乗りました。そして、二、三匹ずつの犬が、一つのそりをひくのでした。

昨日行方不明になった、三人のものの家族や、たくさんの群集が、五つの赤いそりが、捜索に出かけるのを見送りました。

「うまく探してきてくれ。」と、見送る人々がいいました。

「北のはしの、はしまで探してくる。」と、五人の男たちは叫びました。

いよいよ別れを告げて、五つの赤いそりは、氷の上を走り出ました。沖の方を見やると、灰色にかすんでいました。ちょうど、昨日と同じような景色であったのです。みんなのものの胸の中には、いい知れぬ不安がありました。そのうちに、赤いそりは、だんだん沖の方へ小さく、小さくなって、しまいには、赤い点のようになって、いつしか、それすらまったくかすんでしまって、見えなくなったのであります。

「どうか無事に帰ってきてくれればいいが。」と、みんなは、口々にいいました。そして、ちりぢりばらばらに、めいめいの家へ帰ってしまいました。