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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろいひととあかいそり

黒い人と赤いそり

小川 未明

Lesen Sie 黒い人と赤いそり (くろいひととあかいそり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.127 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

「今日は、いやなものを見た。さあ、まちがいのないうちに陸へ帰ろう。」と、みんなはいいました。そして、陸に向かって、急いで舟を返しました。

しかし、不思議なことに、まだ陸に向かって、幾らも舟を返さないうちに、どの船も、なんの故障がないのに、しぜんと海にのみ込まれるように、音もなく沈んでしまいました。

つぎの話は、寒い冬の日のことです。海の上は、あいかわらず、銀のように凍っていました。そして、見わたすかぎり、なんの物影も目に止まるものとてはありませんでした。

よく晴れた、寒い日のことで、太陽は、赤く地平線に沈みかかっていました。

このときたちまち、その遠い、寂寥の地平線にあたって、五つの赤いそりが、同じほどにたがいに隔てをおいて行儀ただしく、しかも速やかに、真一文字にかなたを走っていく姿を見ました。

すると、それを見た人々は、だれでも声をあげて驚かぬものはなかったのです。

「あれは、いつか、三人を捜索に出た、五人の乗っていた赤いそりじゃないか。」と、それを見た人々はいったのです。

「ああ、この国に、なにか悪いことがなければいいが。」と、みんなはいいました。