Japanische Klassiker mit Furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lesen Sie 黒百合 (くろゆり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.148 Zeichen · 154 Bildschirme
兵粮だって餡麺麭を捻込んで、石滝の奥へ、今の前橋を渡ったんだ、ちょうど一足違い位なもんだ。」
「やッ、」というて目をる義作と一所に吃驚したのは、茶店の女で、向うの鍵屋の当の敵、お米といって美しいのが、この折しも店先からはたはたと堤防へ駆出したことである。故こそあれ腕車が二台。
四十六
「もしもしちょいとどうぞ、どうぞちょいとお待ち遊ばして。」と路を遮ったので、威勢の可い腕車が二台ともばったり停る。米は顔を赤らめて手を膝に下げて、
「恐入ります、御免下さいまし。どちらの姫様ですか存じませんが、どうぞあちらへいらっしゃいましたら、私どもへお休み遊ばして下さいまし、後生でございます。」
先に腕車に乗ったのは、新しい紺飛白に繻子の帯を締めて、銀杏返に結った婦人。
「何だね、お前さん。」
「はい、鍵屋と申します御休憩所でございますが、よそと張合っておりますので。
今朝から向にばかりお客がございます処へ、またお馬に召した立派な若様がお立寄でございました。あのお倉さんというのが、それはもうこれ見よがしで、私は居ても立ってもいられません。あんまり悔しゅうございますから、どんなにお叱り遊ばしても宜うございます、お見懸け申しましてお願い申します。