Japanische Klassiker mit Furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lesen Sie 黒百合 (くろゆり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.148 Zeichen · 154 Bildschirme
その容貌、その風采、指環は紛うべくもない純金であるのに、銀流しを懸けろと言うから。
「これですかい。」
「ちょいと遣っておくんな。」
「結構じゃありませんかね。」
「お銭がなくっちゃあ不可ねえか、ここにゃ持っていねえんだが、可かったらつけてくんねえ。後で持たして寄越すぜ。」
と真顔でいう、言葉つき、顔形、目の中をじっと見ながら、
「そんな吝じゃアありませんや。お望なら、どれ、附けて上げましょう。」と婦人は切の端に銀流を塗して、滝太郎の手を密と取った。
「ようよう、」とまた後の方で、雀海中に入った時のごとき、奇なる音声を発する者あり。
十二
「可いぜ、可いぜ、沢山だ、」と滝太郎はやや有って手を引こうとする、ト指の尖を握ったのを放さないで、銀流の切を摺着けながら、
「よくして上げましょう、もう少しですから。」
「沢山だよ。」
「いいえ、これだけじゃあ綺麗にはなりません。」と婦人は急に止めそうにもない。
「さあ、大変。」
「お静に、お静に。」
「構わず、ぐっと握るべしさ、」
「しっかり頼むぜ。」
などと立合はわやわやいうのを、澄したもので、
「口切の商でございます、本磨にして、成程これならばという処を見せましょう、これから艶布巾をかけて、仕上げますから。