Japanische Klassiker mit Furigana
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はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Lesen Sie 鼻の表現 (はなのひょうげん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.303 Zeichen · 141 Bildschirme
そんな法律を男性は一笑に付して、益つけあがるでありましょう。自分の良心の許可まで受けている気になって――否、良心の批難の方が時代遅れの世間知らず位に考えて――甚だしきに到っては男性の愛と女性の愛とはその根本の要素に格段の相違があるものなぞと悟りを開いて、盛んに性欲の漏電や性愛の混線をやるに決っております。
さながらに漬物の味見でもするように、異性の性愛の芽立ちから薹立ち迄、又は生なれから本なれへと漁り歩きます。デカダンの非道いのになると、腐りのまわった捨てものが一番いいなぞと云い出す位で、どこ迄行っても男性の良心は行き詰まりませぬ。真の愛を味覚する機会を見出だしませぬ。
こうして男性なるものは、その愛の第一義を二方面にも三方面にも、或は二重にも三重にも使いわけて当り前だという顔をしております。そうしなければエラくないのだという、生存競争場裡の虚栄心までこれに手伝って、そればかりのために死に物狂いに働くはまだしも、不義理、不人情、不道徳はまだしも、詐欺、横領、泥棒なぞまでしても各方面の第一義に入れ上げようとします。
イヤハヤまことに御盛んな事で、容易に寄りつける沙汰ではありませぬ。