Clásicos japoneses con furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Lee いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 63.226 caracteres · 128 pantallas
井上さんなんか乃公が眼を突いて見てからは死んだか生きたかさえ分らなくなってしまった。然るに此教師は全く性も懲もない奴である。杖を匿しても平気で来る。今日は新調の麦藁帽子を匿してやった。お父さんまで出て来て乃公を責めたけれど乃公は亀の子のように黙っていた。今頃は忠公が彼の帽子の中へ生れたての南京鼠を入れているだろう。親と離れるようになれば乃公が二疋貰う約束だ。
風邪をひいて十日ばかり寝た。唯の風邪でないから此様なに長くかかったのだ。忠公が悪い。忠公と釣魚に行ったら忠公は游ごうじゃないかと言い出した。乃公は游泳を知らない。だから「五月から游ぐ奴は馬鹿だ。病気になるぞ」と言って誤魔化した。けれども忠公は肯かない。「五月だって六月だって游ぎたくなれば何時でも游ぐ、戦争の時には寒の中でも游がなくっちゃならない」と言った。乃公は忠公の理窟の方が善いと思って、仕方がないから浅い処で游いだ。忠公は何とも無かったが、乃公は風邪をひいてしまった。一体なら発起人の忠公が大病になる筈だのに、拠なくて游いだ乃公の方が此んな目に遇うなんて真正に馬鹿げている。世の中には斯ういう理窟の間違った事が随分多い。