Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

おもしろいはなし

おもしろい話

畔柳 二美

Lee おもしろい話 (おもしろいはなし) de 畔柳 二美 (くろやなぎふみ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 2763 caracteres · 6 pantallas

Aozora Bunko

私は、北海道で生れて、北海道で育ち、二十才をすぎてから上京して、三十代を関西で送った。私の父は東北出身だったので、東北のズーズー弁と、北海道生れの、やや標準語に近い母の言葉を手本に私は成長した。私の父は、たいていの品物の下に「こ」をつけて話した。

例えば、「あそこの娘っこは、いい娘っこだが、まだ、こつこの犬っこをいじめているようでは、本当のいい娘っことは、いえないな」

たいへん機嫌のいい時など、父は、こんなふうに云った。北海道では、父と同じように「こっこ」という言葉はあるが、つづけて、「娘っこ、こつこ」とは云わないので、私たちは、そんなときには腹をかかえて笑った。父はそのほかにも、「茶碗っこ、酒っこ、鍋っこ」などとも云った。

あるとき、私は、大いに意気ごんで父に忠告をしたことがあった。

「父さん、あのね、あんまり『こ』をつけないほうがいいよ。何となく下品にきこえるもの」

「自分では気がつかないが、父さんは、そんなに「こ」をつけるかな」

「つけるねえ。これからは、ぜったい言葉の終りに『こ』をつけないほうがいいと思う」

父は、私をみおろして、にっと笑った。