Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

Lee ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 164.113 caracteres · 332 pantallas

Aozora Bunko

芭蕉翁と言っても通りがかりの人には通じない。続いて蓑虫庵へ向った折にも、

「一寸お尋ね致しますが、この辺に蓑虫庵というのはありませんか?」

「知りまへんなあ、そんなものは」

「芭蕉はんのいたところで、この見当だと聞いて参りましたが……」

「芭蕉はん? そんな人存じまへんなあ」

といった調子だった。

「驚いたね。誰も知らない。翁も案外人気がないんだね。矢張り予言者は故郷に尊ばれないのか知ら?」

とお父さんは頻に首を傾げていた。

「君、相手が悪いんだよ。先刻から選りに選って女子供やヨボ/\爺さんにばかり訊いているからさ」

と三輪さんが注意した。

「要するに発句なんてものは現代生活に没交渉だという証明さ。あゝ、腹が空った」

と団さんは芭蕉が俳人だということ丈けは知っているようだった。

漸く探し当てた揚句の果が、庵は今では個人の別荘とあって門が閉っていた。

「これでは町の人も知らない筈だよ。住宅になっているんだもの」

とお父さんは翁のために弁じたが、拝見させて戴くのに又少時手間を取ったので、

「何うも君達は物見高くて困る。こんな安普請がそんなに有難いのかなあ」

と腹のへった団さんは頗る不平らしかった。